競売物件の基礎知識から入札の流れまで、投資判断に必要な情報をまとめました
競売物件(けいばいぶっけん)とは、住宅ローンの返済が困難になった不動産を、裁判所が差し押さえて入札方式で売却する物件のことです。正式には「不動産競売(ふどうさんけいばい)」と呼ばれます。
債務者(元の所有者)が借入金を返済できなくなった場合、債権者(銀行等)が裁判所に申立てを行い、裁判所が不動産を差し押さえます。その後、裁判所の管理のもと、最も高い価格を提示した入札者に売却されます。
競売物件の売却基準価額(裁判所が設定する価格)は、一般的な市場価格の5〜7割程度に設定されます。さらに、実際に入札できる最低価格(買受可能価額)は売却基準価額の80%です。
この価格設定は、内覧ができないなどのリスクを考慮したものですが、物件調査を適切に行えば、市場価格の3〜5割安で購入できるケースも少なくありません。
三点セットを精読することでリスクの大半は事前に把握できます。特に現況調査報告書には占有状況や建物の状態が記載されています。
BIT(裁判所の公式サイト)で公開されている三点セットを確認します。物件の権利関係、建物状態、周辺環境を把握し、入札額を検討します。
入札期間内に、入札書と保証金(売却基準価額の20%)を裁判所に提出します。入札額は買受可能価額(基準価額の80%)以上であれば有効です。
入札期間終了後に開札が行われ、最も高い価格を提示した人が最高価買受申出人になります。その後、裁判所が売却許可決定を出します。
売却許可決定後、約1ヶ月以内に残代金を納付します。保証金は代金の一部に充当されます。落札できなかった場合、保証金は全額返還されます。
代金納付後、裁判所が所有権移転登記を行います。占有者がいる場合は、引渡命令の申立てなどの法的手続きで対応します。
三点セットは競売物件の調査資料で、以下の3つの書類で構成されます。
| 書類名 | 内容 | 注目ポイント |
|---|---|---|
| 物件明細書 | 権利関係の記載 | 賃借権の有無、引受ける権利の確認 |
| 現況調査報告書 | 執行官による現地調査結果 | 占有者の有無、建物の損傷状況 |
| 評価書 | 不動産鑑定士による評価 | 評価額の根拠、土地・建物の詳細 |
| 競売 | 任意売却 | 公売 | |
|---|---|---|---|
| 実施者 | 裁判所 | 債務者(債権者同意) | 国税庁・自治体 |
| 価格水準 | 市場価格の5〜7割 | 市場価格に近い | 市場価格の5〜7割 |
| 内覧 | 不可 | 可能 | 不可 |
| 仲介手数料 | 不要 | 必要 | 不要 |
| 契約不適合責任 | なし | あり | なし |
| 交渉の余地 | なし(入札のみ) | あり | なし(入札のみ) |
| 権利の整理 | 裁判所が抹消 | 売主が対応 | 行政が抹消 |
投資目的で安く仕入れたい場合は競売や公売、自己居住用で建物状態を確認してから購入したい場合は任意売却が向いています。
| 費用項目 | 目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 保証金 | 売却基準価額の20% | 落札できなければ全額返還 |
| 残代金 | 落札価格 − 保証金 | 約1ヶ月以内に納付 |
| 登録免許税 | 固定資産税評価額の2% | 所有権移転時 |
| 不動産取得税 | 固定資産税評価額の3〜4% | 取得後に課税 |
| 司法書士報酬 | 5〜15万円 | 登記手続き委託時 |
| リフォーム費用 | 物件による | 内覧不可のため予備費の確保を推奨 |